「見て、られないんだ」


え?


「碧ちゃんが、あいつに振り回されたり北河にいやがらせされてるの、見てられないんだよ」


誠先輩が、力を込める。


私は、自然と誠先輩の背中に手を回していた。


先輩の痛みがそのまま私に流れ込んでくる。


この人は、私のために傷ついてる。


この人は、私を見て傷ついてる。


一方的で、傷つけるだけのすぐるとは、違う……。


「誠先輩……」


抱きしめられたまま、私は言った。


「私と……付き合ってください――」