☆☆☆
すぐると過ごす2時間は、あっという間だった。
辺りはずいぶん薄暗くなり、もうすぐ花火が上がる。
「碧、S王子の所に行ったきり戻ってこないんだからっ!!」
プリプリと頬を膨らませる律に、「ごめんごめん」と、苦笑いする。
スカートのポケットには、あのスーパーボール。
すぐるの言葉を思い出すと、自然と笑みがあふれ出す。
「なんか幸せそうだしぃ」
笑顔のままの私に、今度は唇を尖らせる。
「律は、幸せじゃないの?」
「だって……。なんか最近碧ばっかりモテてるしさ」
確かに、私と律なら律の方が可愛い。
目は私の2倍は大きいし、足は細くてきれいだ。
今までモテていたのも、当然律の方。
「律は、いい人いないの?」
私は、再びポテトを揚げながら聞いた。
すると、律は軽く俯き「気になる人なら……」と、呟いた。
「え!? うそ!?」
てっきり今は全然そんな話はないと思っていた。
自分の事ばかりが頭の中で一杯で、律の片思いを見抜けなかったのだ。
「誰? 誰誰誰!?」
「あっ……」
私の質問に答える前に、律は目の前に立った人物に頬を染めた。
ん?
律の視線を追うと……誠先輩!!
お客としてたっている誠先輩に、私は慌てふためく。
「いらっしゃいませ」
律の、いつもより数段女の子らしい声が隣から聞こえてくる。
「ポテト一つ頂戴」
「はい」
頬を軽く染めて、手際よくポテトに塩を振り掛ける。
律……もしかして……?
「ありがとう。碧ちゃん、頑張ってね」
誠先輩は律からポテトを受け取り、私に声をかけてから背を向けた。
律は、その後姿を見つめている。
恋してます。って、瞳で……。
すぐると過ごす2時間は、あっという間だった。
辺りはずいぶん薄暗くなり、もうすぐ花火が上がる。
「碧、S王子の所に行ったきり戻ってこないんだからっ!!」
プリプリと頬を膨らませる律に、「ごめんごめん」と、苦笑いする。
スカートのポケットには、あのスーパーボール。
すぐるの言葉を思い出すと、自然と笑みがあふれ出す。
「なんか幸せそうだしぃ」
笑顔のままの私に、今度は唇を尖らせる。
「律は、幸せじゃないの?」
「だって……。なんか最近碧ばっかりモテてるしさ」
確かに、私と律なら律の方が可愛い。
目は私の2倍は大きいし、足は細くてきれいだ。
今までモテていたのも、当然律の方。
「律は、いい人いないの?」
私は、再びポテトを揚げながら聞いた。
すると、律は軽く俯き「気になる人なら……」と、呟いた。
「え!? うそ!?」
てっきり今は全然そんな話はないと思っていた。
自分の事ばかりが頭の中で一杯で、律の片思いを見抜けなかったのだ。
「誰? 誰誰誰!?」
「あっ……」
私の質問に答える前に、律は目の前に立った人物に頬を染めた。
ん?
律の視線を追うと……誠先輩!!
お客としてたっている誠先輩に、私は慌てふためく。
「いらっしゃいませ」
律の、いつもより数段女の子らしい声が隣から聞こえてくる。
「ポテト一つ頂戴」
「はい」
頬を軽く染めて、手際よくポテトに塩を振り掛ける。
律……もしかして……?
「ありがとう。碧ちゃん、頑張ってね」
誠先輩は律からポテトを受け取り、私に声をかけてから背を向けた。
律は、その後姿を見つめている。
恋してます。って、瞳で……。