そう言って、すぐるは水に流れている透明なボールを一個指でつまんで、私に差し出してきた。


「キレイ……」


透明なボールは水に濡れてキラキラと輝き、まるで宝石のようだった。


「それ、光に向けて覗き込んでみ?」


言われたとおり、私は太陽の方に向いてボールを覗き込んでみた。


そこには……。


「わっ!!」


ハートマークが、ボールの中に浮かび上がってきた。


「な? 綺麗だろ」


「なにこれ? なんで!?」


「さぁ? 普通に見ただけだとそのハートマークは見えない。けど、光に当てて覗き込むと見えるんだ」


「くれるの?」


「さっきそう言っただろ」


すごい、うれしい!!


「碧。俺の気持ちが不安だったら、これを見ろ」


「え?」


「俺の碧への気持ちは、いつでもこの中にある通りだ」


ドキン。


真剣な表情をして、すぐるはそう言った……。