☆☆☆
私へのいやがらせがエスカレートするのに、時間はかからなかった。
一番最初の、ゴミ箱の事件があってから、ほんの3日後。
新しい事件が、起こった。
「うわ……」
ゴミ箱の中身を確認した時と同様に、言葉を失う律と私。
目の前には、切り刻まれた制服が入った、ロッカー。
言うまでもなく、私の制服だ。
体育の授業中にやられたらしい。
「長浜弥生」
律の呟きに、私は「へ?」と聞き返す。
「ほらここ」
律が指差した場所を見ると、確かに黒いマジックでそう書かれているのがわかった。
スカートに、大きくだ。
紺色なので気づきにくいが、確かに、ハッキリと書いてある。
「この前のゴミ箱にもこの名前書いてあったよ」
「え? うそ!?」
「本当。ゴミ箱の裏側にさ。碧気づかなかったの?」
その言葉に、私はうなづく。
長浜弥生……。
聞いたこともない名前に、眉をよせる。
「でもさ、これで犯人はわかったね」
「え? 長浜弥生?」
「犯人が自分の名前をそのまま残すわけないでしょ」
突っ込む律に、私は「そっか」と、頭をかく。
「犯人は、体育の授業中にここに忍び込んだのよ」
忍び込んだ……。
ということは、授業を抜け出したってことだ。
「あっ!!」
その瞬間、犯人が簡単にわかってしまった私は大声をあげそうになり、慌てて両手で口をふさいだ。
まさか……。
信じられず、律を見る。
律は、無言でうなづいた。
どう考えても、間違いない犯人……。
それは……。
その時、ガラッと音を立てて更衣室の扉が開いた。
驚いて振り向く私たちの視界に入ったのは――清子さんだった――。
私へのいやがらせがエスカレートするのに、時間はかからなかった。
一番最初の、ゴミ箱の事件があってから、ほんの3日後。
新しい事件が、起こった。
「うわ……」
ゴミ箱の中身を確認した時と同様に、言葉を失う律と私。
目の前には、切り刻まれた制服が入った、ロッカー。
言うまでもなく、私の制服だ。
体育の授業中にやられたらしい。
「長浜弥生」
律の呟きに、私は「へ?」と聞き返す。
「ほらここ」
律が指差した場所を見ると、確かに黒いマジックでそう書かれているのがわかった。
スカートに、大きくだ。
紺色なので気づきにくいが、確かに、ハッキリと書いてある。
「この前のゴミ箱にもこの名前書いてあったよ」
「え? うそ!?」
「本当。ゴミ箱の裏側にさ。碧気づかなかったの?」
その言葉に、私はうなづく。
長浜弥生……。
聞いたこともない名前に、眉をよせる。
「でもさ、これで犯人はわかったね」
「え? 長浜弥生?」
「犯人が自分の名前をそのまま残すわけないでしょ」
突っ込む律に、私は「そっか」と、頭をかく。
「犯人は、体育の授業中にここに忍び込んだのよ」
忍び込んだ……。
ということは、授業を抜け出したってことだ。
「あっ!!」
その瞬間、犯人が簡単にわかってしまった私は大声をあげそうになり、慌てて両手で口をふさいだ。
まさか……。
信じられず、律を見る。
律は、無言でうなづいた。
どう考えても、間違いない犯人……。
それは……。
その時、ガラッと音を立てて更衣室の扉が開いた。
驚いて振り向く私たちの視界に入ったのは――清子さんだった――。