どう頑張っても笑いがおさまらない私に、すぐるは大きなため息と共に胸を触っていた手をどけた。


「ったく」


ベッドの端に背を向けて座り、あきれたように舌打ちするすぐるに、なんだか申し訳ない気分になってくる。


こういうとき、男の人ってちょっと辛いんだよね……?


「ごめんね?」


私はそう言いながらすぐるの髪をなでた。


やわらかくて、艶がある。


「いいよ、別に」


「怒ってる?」


「怒ってない」


「怒ってるじゃん!?」


「怒ってねぇっつぅの!!!」


そう怒鳴ると同時に振り向いたすぐるに、キスをされた。


「碧」


「な……に?」


「今日はキスだけで許してやる」


「へ?」


私が聞き返す前に、すぐるはまたキスをした。


今度はかなり強引に、舌が入ってくる。


歯並びをなぞり、舌を吸う。


ちょっとした動きに、私の口の中は敏感になる。


体がカッと熱くなるけど、それは心地いい熱さだった。


頭の中が、真っ白になるような、そんな熱さ。


学校をサボってまでパーティーに出たことに、ほんの少しだけ、よかったと思えた――。