すぐるは、私の頬に流れた涙をなめとり、それから今度は優しくキスをしてくれた。


強引だったり、優しかったり。


すぐるの気分次第で変えられる、わがままなキス。


だけど、そのどれもが暖かかった。


触れるたびに、『好き』という気持ちがどんどん私の中にあふれ出してくる。


「碧……」


すぐるが耳元で私の名前を呼ぶと、体中が震える。


どうしよう、好きな気持ちがとまらないよ……。


すぐ近くにいるのに、これ以上近づけないことがもどかしい。


「すぐる……」


私は、自分からすぐるへキスをした。


少し驚いたように目を見開くすぐる。


そのキスは、すぐにすぐるの強引なキスへと変わる。


そうしながら、すぐるの手が私の胸元へ伸びてきた。


一瞬、体が硬直する。


嫌なワケじゃ、ない。


けど……。


胸のふくらみに触れられると、意外とくすぐったい。


今までの理想とか、妄想とか、そういうのとは全然違う。


私はしばらく我慢していたのだけれど、途中で思わず笑い出してしまった。


すぐるの手が止まる。


「アハハッ! くすぐったいよ」


ベッドの上で転げまわる私に、すぐるがムッとしたように背中からドレスの中に手を入れてきた。


そうされると、更にくすぐったい。


もう、ムードはぶち壊しだ。


「碧、ちょっと黙ってろ」


「だって……」


くすぐったくて、また笑えてくる。