とてもじゃないけど、恥ずかしくて着れない。


ブンブンと首をふる私に「大丈夫だ」と、すぐるが言った。


……?


「碧は、制服でかくれてるだけで胸も尻もある。絶対に、似合う」


そう言いきって、すぐるは微笑んだ。


その笑顔に、服の中をすべて見られているようで、顔が赤くなる。


なんか、最近私赤くなってばかりだな……。


体がむずがゆくて溶けそうになったり、触れてほしくなったり……。


ポーッとする頭をブンブンと振り、「わかった」と笑顔を見せた。


☆☆☆

ドレスは、想像通り露出が高く、太もものギリギリの場所まで見えてしまう。


高いヒールを履いて足を長く見せているのだから、もう少し長くてもいいのに……。


「碧……」


「すぐる……。ねぇ、やっぱり恥ずかしいよこれ」


私が言うと、すぐるは大きく首を振った。


「すっげ……似合ってる」


そう言って、白いタキシードを着ていつもより大人になったすぐるが、痛いほどに抱きしめてくる。


「あらあら、お熱いこと」


薄いブルーのドレスを着た律がそう言い、ヒョイと肩をすくめたかと思うと、人並みの中にまぎれていった。

「律!!」


呼び止めようとする私の手を、すぐるがつかんだ。


「気をきかしてくれたんだ。甘えればいい」


「でも……」


こんな格好じゃ恥ずかしくて2人でなんていられない!!


きっと、今も私は顔が真っ赤に違いない。


すぐるを、見てられない。


「碧、部屋を移動しよう」


「え?」


「顔が赤い。人に酔ったんじゃないのか?」


そう言ったかと思うと、私を簡単に抱き上げた。


お姫様抱っこ!!


近くにいた人たちから、冷やかしの声が飛ぶ。


「すぐるっ! 下ろして!」


ドレス姿だけでも十分に恥ずかしいのに、こんなことされたら死んじゃうくらい恥ずかしい!


そう思うのに、すぐるは下ろしてくれない。


かと言って、この状況で暴れたら絶対にパンツが見えてしまう。


私はしかたなく、すぐるの腕の中におとなしく納まっていることしか、できなかった……。