☆☆☆
クラスに入ると、まずは親友の律が大きく手を振りながらかけてくる。
いつもの光景だ。
「おはよう律。ねぇ、これ」
そう言ってさっき降って来たゴミ箱を差し出すと、律はキョトンとした顔をし、その後すぐに大声で笑い始めた。
「なに? なんでいきなりゴミ箱持ってんの!?」
確かに、かなり奇妙な光景だと思う。
けれど、私だって好きでゴミ箱を持ってるワケじゃない。
「さっき、降って来たのよ」
「降って来た?」
律に、ついさっきの出来事を身振り手振りで話して聞かせる。
律は、最初は興味深々に聞いていたのだけれど、途中からは首をかしげたり、鼻のあたまをかいたりし始めた。
「ちょっと、真剣に聞いてるの?」
「う~ん……だってさ、それ確かにこのクラス名が書いてあるけどさぁ」
そう言い、律は教室の後方を指差す。
そこには、いつも使っているゴミ箱が、ちゃんとあった。
「あれ!? 何で!?」
「何でって言われても、私もわかんない」
ヒョイッと肩をすくめる律とほっといて、私は教室にあるゴミ箱と、持っているゴミ箱を見比べてみた。
色も、形も、大きさも同じ。
1-Bと書かれている所も同じ。
けど……。
「文字が違う」
と、呟く。
私が持っている方のゴミ箱は、丸っこい女の子らしい文字。
けど、置いてある方は殴り書きで、ところどころインクがとれている。
使い古されている証拠だ。
「こりゃぁ、手のこんだいたずらだね」
隣でその様子を見ていた律が呟く。
いたずら……。
「どう見ても、碧の持ってるゴミ箱は真新しいよ。それにゴミをつめて、クラス名書いて上から落としたんだろうね」
「って……待ってよ。それってなんのために?」
「知らないよ。碧、あんた誰かに恨まれてるんじゃない?」
恨まれて……?
けど、ここまでされるほど嫌われた事なんかない。
ゴミ箱がもし当たってたら、大怪我をしたかもしれないのに。
クラスに入ると、まずは親友の律が大きく手を振りながらかけてくる。
いつもの光景だ。
「おはよう律。ねぇ、これ」
そう言ってさっき降って来たゴミ箱を差し出すと、律はキョトンとした顔をし、その後すぐに大声で笑い始めた。
「なに? なんでいきなりゴミ箱持ってんの!?」
確かに、かなり奇妙な光景だと思う。
けれど、私だって好きでゴミ箱を持ってるワケじゃない。
「さっき、降って来たのよ」
「降って来た?」
律に、ついさっきの出来事を身振り手振りで話して聞かせる。
律は、最初は興味深々に聞いていたのだけれど、途中からは首をかしげたり、鼻のあたまをかいたりし始めた。
「ちょっと、真剣に聞いてるの?」
「う~ん……だってさ、それ確かにこのクラス名が書いてあるけどさぁ」
そう言い、律は教室の後方を指差す。
そこには、いつも使っているゴミ箱が、ちゃんとあった。
「あれ!? 何で!?」
「何でって言われても、私もわかんない」
ヒョイッと肩をすくめる律とほっといて、私は教室にあるゴミ箱と、持っているゴミ箱を見比べてみた。
色も、形も、大きさも同じ。
1-Bと書かれている所も同じ。
けど……。
「文字が違う」
と、呟く。
私が持っている方のゴミ箱は、丸っこい女の子らしい文字。
けど、置いてある方は殴り書きで、ところどころインクがとれている。
使い古されている証拠だ。
「こりゃぁ、手のこんだいたずらだね」
隣でその様子を見ていた律が呟く。
いたずら……。
「どう見ても、碧の持ってるゴミ箱は真新しいよ。それにゴミをつめて、クラス名書いて上から落としたんだろうね」
「って……待ってよ。それってなんのために?」
「知らないよ。碧、あんた誰かに恨まれてるんじゃない?」
恨まれて……?
けど、ここまでされるほど嫌われた事なんかない。
ゴミ箱がもし当たってたら、大怪我をしたかもしれないのに。