けれど、それは紛れもない事実だ。


父親を入れても2人か3人くらい。


しかも、父親以外の異性とはほとんど連絡を取り合ってはいない。


「碧ってモテないんだな」


「そのモテない女に突然キスしたのはどこのどいつよ」


ムスッとする私の額に、すぐるが軽くキスをした。


「契約内容はこれから増やしていくから。とりあえず名前の呼び方だけは忘れんなよ」


「……わかった」


コクンと、素直にうなづく私。


キスされた額が、ジンジンする。

「じゃ、また明日な、碧。寝るなら玄関の鍵かけて寝ろよ」


そう言って部屋を出るすぐるを見送り……。


「あれ?」


と、気づく。


今のって、不法侵入じゃん?


しかも、寝顔見られた!?


「ギャァァァァ~!!」


後から襲ってきた恥ずかしさに、私はまた悲鳴を上げた――。