☆☆☆

ペシッ!


何かが、頬を叩いた。


その痛みで驚き、目がさめた。


「……」


ボンヤリとする意識の中、部屋の天井を見上げる。


いつもと変わらない、自分の部屋。


……じゃぁ、今のは何?


ハッとして起き上がり、ベッド横に座っている人物に気づくと……。


「きゃぁぁぁぁ!!!」


耳をつんざくような悲鳴が上がった。


その声に、その人物が顔をしかめる。


「だ……だれ!!」


自分の部屋に、知らない男がいる!!


この危機的状況に、咄嗟に枕を抱きしめて体を防御する。


簡単にヤラれてたまるか!


「お前、彼氏の顔も忘れたのかよ」


ムスッとし、あきれた様な口調で言うそいつ。


「彼氏……?」


なに言ってんの?


私に彼氏なんか――。


そこまできて、思い出した!


「も……森山すぐる!!」


目の前の人物を指差し、私は叫んだ。