☆☆☆

痛みが、全身を駆け抜けた。


思わず悲鳴に似た声をあげてすぐるの体を両手で押し返す。


痛い、痛いよ!


声にならない声で、すぐるに訴えかける。


「碧、大丈夫だから少し我慢してろ」


私の痛みなど知らずに、すぐるは私を求めている。


ただ痛いだけで、全然気持ちよくなんかなくて、なのにすぐるはやめてくれないくて。


この温度差が怖くなり、私は「やめて!!」と叫んだ。


「やだ、やだよこんなの」


大丈夫って、なにがよ。


我慢なんてできないよ。


カタカタと小刻みに震える私にすぐるの動きが止まった。


そのまま、倒れこむようにして私を抱きしめる。


「碧、泣くな」


「そんなこと、言われてもっ……」


こんなのが愛情表現だなんて、信じない。


信じたくない。


首をふる私に、すぐるがキスをしてきた。


短い、ほんの少しのキス。


「碧、俺はお前を愛してる」


……すぐる……。


「これからは、なにがあっても、碧を守る。だから――大丈夫だから――」