「すぐる! 私契約違反してないよ!?」


ジタバタを暴れる私を、すぐるが両手で押さえつける。


なんで!?


どうしてこんなことするの!?


「碧、今なんて言った?」


すぐるが顔を離すと、意地悪そうな笑顔を見せた。


「え……?」


「俺のこと、なんて呼んだ?」


すぐるのこと?


『あなたの事、いっぱい知れて、嬉しかったよ』――。


「あぁ!!」


『すぐる』じゃなくて『あなた』って言っちゃったんだ!!


それに気づいて、慌てて「悪気があったワケじゃないの!」と言うが、もう遅い。


首筋にはしっかり3つ目のキスマークが付いている。


つまり……。


「罰だな」


ニヤリ。


すぐるは、王子様みたいな顔で、小悪魔のように笑った……。