そんな、清子さんとあの野蛮が幼馴染!?


し……しんじられない。


同じ地域で幼稚園から同じ環境で育ったというのに、どうやったらこんなに差がつくのだろう。


「すぐるの女遊びには本当に困ってるのよ。誰かれかまわず、すぐにキスをするし」


その言葉に、一瞬胸がズキッと痛む。


「そう……なんだ」


それでもなんとか、笑ってみせた。

別に、そんなことどうってことないハズだ。


あいつが勝手に私のファーストキスを奪っただけ。


そう、それだけのこと。


なのに……なんで胸が痛むの?


「だから碧さん」


「え?」


「すぐるにとってあなたが特別なワケじゃないわ。勘違いしないであげてね?」


清子さんはそう言って、美しく……小さな花瓶に立てられた一輪の花のように、微笑んだ――。