『カンパーイ！』
居酒屋、すずむし。
カチン、カチンと６つのビールジョッキが音を立てた。
「いやあ、まさかこのメンバーで飲むことになるとはねー！」
にかっと笑って、上野萌は陽気に言った。
「そうだよね、あの頃はそんなこと思いもしなかったもの。」
長い睫毛を伏せて、川崎由希歌が言う。
隣では、津田奈々音が涼しげな顔でウーロン茶を口に運んでいる。
「うんうん…ってお前、ウーロン茶？ダッセーなぁ。」
森一弥がすかさず、奈々音にチャチャを入れた。
「うるさいわね、お酒苦手なのよ。バカなあんたと違ってね。」
「何ッ！？」
2人が睨み合うと、角山和正が慌てて間に入った。
「まあまあ2人とも、今日は久しぶりにみんなで集まったんだから、な？」
その仲裁も甲斐なく、今度はそっちが悪い、あっちが悪いの言い合いを始めた。
それを横目に見つつ、堀田颯がぼそりと呟く。
「全く、仲のよろしいことで」
『よくないっ！』
「おーっ、息ぴったし！」
やっぱ仲良いんじゃん、と萌がニヤリと笑った。