いち
台風がやってくる事に早くから感づいてはいたのだが、大したことはないと、楽観しすぎていたと思う。これほどまでにひどいものであったとは、想像もつかなかった。直撃すると言っても、ここまで被害がひどいとは想定していなかったのだ。それはきっと、私が狂人と呼ばれるようになってから、最もすごいものだったかもしれない。
これから台風が接近したら、すぐに荷物をまとめておくとかしなければならないなということを実感した。もう、こうなったら家とか何よりも、自分だけが何よりも大切と考えるべきなのだろう。そして、日頃から、自己管理を完璧にして、すべてコントロールできるようなシステムを早く作らなくてはならない。そのくらい、薬というものがないと、私は生きていかれないということも知った。もはや薬に頼るなと言うべきではなく?薬がなければ生きていかれないのだ。次に台風がきたら、便秘薬を大量に買い溜めておく必要もある。
そして何より、私は孤独だと思っていたが、たくさんの人からメッセージをもらえた。これこそが一番の発見だったかと思う。日頃から孤独だと思っていたわたしが、多くの人からSNSを通じてメッセージをもらい、なんと発狂することなく、台風を乗り切ったのだ。
人生最悪の体験は、正面から向かうなら神の恩寵である。
日野原重明先生の本に書かれていた言葉だったが、これはまさにそうだったかもしれない。
私は、人生最悪の体験と、神の恩寵、その2つを台風を通して知ったのだと思う。