翔は笑って答えた。

「気になるってことは、俺のこと好きってことだろ」

「そんなこと言ってない」

「少しは素直になれよ。俺は初めて素直になったんだからさ」

 翔が初めて本音を言ってくれたんだから、私も素直になろう。

「私も……翔のことが好き」

「取材で再会時から、これは運命だと思ったんだ」

「そうだね……」

「さっき真夜中のキックオフって意味不明なことを言ったけど、俺たちの恋の始まりって意味だらな」

 真夜中のキックオフとは、恋の始まりって意味だったんだ。私はこれを最後の恋にしたいなって思う。

 ついこの前、失恋したばかりだったのに……私は翔のお陰で最高の誕生日を迎えることが出来た。こんな風に、新しい恋が始まるなんて思いもしなかった。

 私はそっと目を閉じると、翔の唇が私の唇と重なった。これから、なにがあっても翔とずっと一緒にいたいと思った。

「ねぇ翔、これから、ずっと一緒にいてくれる」

「当たり前だろ」

 私達は、きっと運命の赤い糸で結ばれていたんだね。だから、またこうして出会えたんだよね。私達は手を繋いで歩き始めた。