翔の強引な誘いを、断わることが出来なかった。いつの間にか、私はすっかり翔のペースにはまってしまっている。

 なんか苛々するけど、不思議と嫌ではない。苛々するのに、嫌じゃないのって何でだろう。

 昔からこういうとこあったから別に驚きはしないけど。春香の言う通り、この気持ちは恋なのかな?。
 この前、翔の部屋に女の人が訪ねて来た時は、彼女がいたの?ってショックを受けた。

 その元カノとやり直さないって知って安心した自分がいた。この気持ちは事実だ。

 私は今日もまたベランダに出た。すると、翔もまた同じくベランダにいた。

「絵理、今日の約束……絶対に忘れるなよ」

「分かってるよ。でも何で部屋が隣同士なのに、○○公園行かないと駄目なの」

「そんな細かいことイチイチ気にするなよ。いいか、もう一度言うけど約束は絶対に守れよ」

「なんで、命令口調なのよ」

「だから気にするな。とにく来ればいいんだよ」

「分かったよ、行くよ。行けばいいんでしょ」

 なんか馬鹿らし会話しかしてない。素直になれないのは、お互い様なのかな?