私は春香に自分の揺れ動いてる気持ちを相談することにした。春香は嫌な顔ひとつせずにOKしてくれた。

「私ね、最近なんか翔のことが気になってるの」

「それは恋だよ。恋」

「そうなのかな?翔が元カノの告白を断ったって聞いた時は、ホッとしたんだよね」

「だから、あたしが恋だって言ってるでしょ。絵理は相手が翔だから、素直に認めたくないだけなんでしょ」

 春香の言う通りかもしれない。私は翔だから恋してる自分を認めたくないだけなのかもしれない。部屋が隣にも関わらず、仕事中に翔から電話が掛ってきた。

「絵理、明日の夜暇か」

「明日の夜?暇だけど」

「そうだろう。彼氏いないんだからさ」

「なんで、いつも一言多いのよ、あんたは」

「明日の夜、12時に○○公園に来いよ」

「はぁー、なんで12時なの。真夜中じゃん」

「いいから、絶対に来い。分かったな」

「なんで、翔に命令されなきゃなんないのよ」
「来れば分かるから」

「分かったよ。行けばいいんでしょ」

 それだけ言うと翔は、電話を一方的に切ってしまった。でもデートの誘いみたいな感じがして、嬉しい気持ちもあった。