今日は生憎の雨……最近は何故か彼の態度が冷めたいことが気になっている。

 私は新聞社に勤めている、池田絵理(いけだえり)24歳。スポーツ新聞記者で彼はカメラマン。

 この間まで私は芸能担当だったけどスポーツ(サッカー)へ異動になり最近は、一緒に仕事をすることがなくなった。

 仕事がきっかけで付き合い始めたが、私が部署を異動になってから、急に彼の態度が変わってしまった。私は仕事の合間に彼にメールした。

『仕事終わったら会えない?』とメールを送信した。するち返事はすぐに返ってきた。

『今日は仕事が立て込んでるから無理無理。ゴメン、また今度な』

 最近はいつも同じ内容で断られるので渉に嫌われた、と勝手な妄想をしてしまった。

 デートの約束が出来なかったので……私は渉が冷たくなったことを、親友の春香に相談する事にした。

 安西春香(あんざいはるか)は私の中学からの大親友である。仕事が終わり、春香と待ち合わせのファミレスに行くと彼女は外で既に待っていた。

「ゴメン、待った?」

「あたしも来たばかりだから大丈夫だよ。早く中に入ろう」

私達は料理を注文し、ドリンクバーを飲みながら暫くの間はくだらない話をした。

「ところで……相談したい事って何?」

 最近渉と上手くいってないことを話し始めた。

「実は最近……渉が冷たくなったんだよね。なかなか逢ってくれないし。電話もメールもなんだかそっけないんだ……」

「そうなんだ。絵理は嫌われるようなことをした覚えとかはないんでしょう」

「うん……ないよ」

「押して駄目なら引いてみたら、よく言うじゃん。恋愛は駆け引きが大事だって……」

「そっか……そうだね」

 春香のアドバイスで私は暫くの間は渉に連絡するのを止めることにしたのと同時に、気持ちがふっきれた。

 それから私と春香は、カラオケに行きストレス発散をした。二時間後……カラオケ屋から出た私は、信じられない光景を目にした。

 渉が知らない女の人と手を繋いで歩いていた。しかも路上で堂々とキスまでしてる……

 仕事だって言ってたのに……渉が浮気?あまりのショックで、私はその場から動けなかった。

「絵理、絵理ってば……」

「春香……」

「絵理の気持ちは凄い分かるよ。彼氏の浮気現場を見ちゃうなんて、ショックだよね。あたしも同じ経験あるから」

「えっ、春香も」

「うん、絵理には話してなかったけど……」

「もう……私達、駄目だね。渉が最近、冷たくなった理由も分かったし」