依が亡くなって45日目。
午前の公園で、彼女は幽霊となって現れた。
依がこの世から消える49日まであと4日。
欲張りな願いごとはあと5つもあり、時間もないことから、僕は早速ひとつ目の思い残しを聞くことにした。
「じゃあまずは、CDショップ行こうか!」
「は?」
CDショップ?
あまりに唐突な言葉に、意味がわからない。
けれど意味をたずねても教えてもらえず、仕方なくとりあえず駅前のショッピングモール内にあるCDショップへとやってきた。
狭い店内でも、僕だけにしか見えない依は、僕の右隣頭上にふわふわと浮いている。
……変な光景だ。
そもそも幽霊とこうして買い物に来ていること自体変だということはわかっているけれど。
「……で?ここでなにをすればいいんだ」
目の前の棚には、五十音順にCDがずらりと並ぶ。それを前にして、僕は周囲の人に聞こえぬよう小声でたずねた。