眠っていた依。

もう二度と会えないと思っていた依が、こうして目の前で笑っている。



幻想でも幽霊でもいい。

触れられないとしても、隣を歩けないとしても。

それでも、嬉しい。



込み上げたその思いに、僕の目からは涙がポロッとこぼれた。

その雫は一粒落ちると、留まることなくポロポロといくつもこぼれてくる。



「洸太?どうしたの?目にゴミでも入った?」

「……うるさい」


涙の意味に気づいているのかいないのか、不思議そうに僕の顔を覗き込む。

そんな依に泣き顔を見られたくなくて、僕はメガネを外すと、手で目元を覆って下を向いた。



それは、依が亡くなってから初めての涙。

彼女の声に表情に、涙が出るほど、こんなにも嬉しさを感じている。



会いたかったよ、依。

もう一度、その笑顔が見たくてたまらなかった。

想いは涙となって、次から次へと溢れ出した。





きみが死んで、45日。

二度目のさよならまで、あと4日。

きみの思い残しはあと5つ。



どれだけ力になれるかなんてわからない。

けど、その日その瞬間に悔やまぬように。

きみの力になりたいと思ったんだ。