「なーに洸太らしくないこと言ってるの!」



そう言いながら背中を叩こうとするけれど、透けるその手は僕をスカッと通り抜けた。



いつも通りの、依だ。

それに安心してつられて笑うと、依は口をひらいた。



「じゃあこのまま、最後の願い事してもいいかな。洸太じゃなきゃ、叶えられないこと」

「僕じゃなきゃ……?」

「うん。洸太とがいいの。……今夜はずっと、そばにいて」





きみが死んで48日。

願い事はあとひとつ。



最初で最後、きみと過ごす夜に。