そんなこと。首を横に振った。胸元にすがりついて顔を埋める。
絶望的なくらい、自分がなにを欲しがってたのかを思い知った気がした。

「沙喜・・・?」

ナオさんが戸惑い気味に。そして優しく髪を撫でてくれる。

乾ききった大地に降る雨なんてない。ずっとそう思って生きてきたから。
この雨粒は優しすぎて。染みこむにはきっと足りない。・・・足りない。

「・・・ナオさんさえいてくれたらいいの。わたしだけを愛してくれるんだったらお金の苦労なんてどうでもいい、本当は」

声が詰まる。

「連れて行きたいならどこでも連れてって、離さないで」

もっと。がんじがらめに捕まえて、身動きできないくらいに思い知らせて。ココロに染みこむまで。

「最期はナオさんに壊されて死にたいから」



それがわたしの願い。