着直して、新しく淹れた珈琲を飲みきった頃。
また来るよ、と優しくキスを落とされる。

わたしは思い切って言った。

「・・・できれば、来るときに連絡がほしいんですけど」

くつろぎモードで前触れもなく、・・・っていうのは心理的に落ち着かない。
ユウスケときちんと終わるまでは、なおさら。

「そう・・・だね。そうしたいんだけど、俺のスマホは彼女がチェックしてるから。・・・なかなか不自由なんだ、色々とね」

眉を下げて細く笑む先生。

「今に始まったことじゃなくて、結婚もどれも、敷かれたレールを拒まなかった自分のせいなんだろうな」

苦そうに。自嘲の色を掠めて。


先生は。
悔いながら。
抗おうと藻掻いてる。

・・・気がした。