額に瞼に、頬に首筋に。キスを降らせ、ゆっくりとベッドに倒される。

「せんせ」

この先は。
戸惑いで見交わすと、先生は少し赤い目で見下ろしながら淡く笑む。

「俺はいいよ。沙喜にしてあげる」

「でも」

「憶えて欲しいから」

躊躇もなく、たくし上げられてしまう部屋着のパーカー。
下着はつけていない素肌が晒され、ふくらみの先っぽに舌で触れられた感触に。シャワーも浴びていないのを思い出した。

「待って・・・っ、まだシャワー・・・!」

先生の肩に両手をかけ、少し力を込めて押し返そうと。
でも、思っていたよりずっと筋肉の引き締まった体はびくともしないで、いいところを探り続けるのを止めない。

「あっ、・・・や、せん、せ・・・っ」

思わず上げた声の濃淡を聞き分け、敏感に反応すれば左右いっぺんに、わたしを翻弄していく。


呆気なく崩壊する理性。
快楽に支配されて、脳髄が熔けていく。

「・・・ここがいいの?」

妖しい囁き。

ソコ、すき・・・。
躰を仰け反らせ、震わせ。

ぜんぶ脱がされて。指と舌だけで、ユウスケには与えられこともなかった強烈な達き方を憶えさせられた。


「沙喜のも憶えたから」

悪戯気味に覗きこみ、ぐったりと力の入らないわたしを軽々と抱き起した先生は、髪を撫でてどこか楽しそうにそう言った。