「色々あって・・・話せる日が来たら離婚のこともちゃんと話すよ。沙喜が心配するようなことは何もないから、俺を信じて」

「・・・うん」

「それとそこの引き出しにスマホが入ってる」

言われるまま新しい番号を自分のスマホに登録し、ナオさんのスマホにもわたしの名前を登録しておく。

「今は三ツ谷が俺の代理人になってるから、病院からの連絡はあいつに行くんだ。だからもし何かあったときは三ツ谷から電話があると思う」

「分かったわ」

「沙喜の声が聴きたくなったら俺からかけるよ」

急に甘い声で囁かれ、胸がきゅっとなる。まるで初恋を取り戻したような。

「そんな可愛い顔されたら・・・キスしたくなる」

繋いでいた手が離れてわたしの頬を撫でた。

「・・・沙喜」

優しく強請るあなた。

顔を寄せ、わたしから唇を啄む。離れては口付け、・・・を繰り返し。