《5日目》
私は屋上に寝転がりながら手に持った紙を眺めていた
はぁ、またやってきた…。。
正直、嫌いだ
私は起き上がってその場に座ると、その紙を折りだした
「何折ってんの?」
近くにいた國充は不思議そうにこちらを眺めていた
「紙ヒコーキー」
私はそれだけいって紙を折り続けた
「ふっ、小学生かよ」
「戻れるもんなら戻りたいわ」
通学路で楽しそうにしている小学生は、本心から楽しそうで羨ましい
私は紙ヒコーキを作り終えると、それを飛ばそうとした
「おい、まじで飛ばす気かよ」
そう言って國充に腕を捕まれ止められた
私はそれを不快に思って彼を見る
「…なんで止めるのよ」
「だってその紙、進路希望調査だろ?」
「だから?」
「提出するもんだろ」
「そう、だけど…」
「逃げんじゃねーよ」
國充に、読まれた気がした
真っ直ぐな目が、私に伝わってきた
「…わかんないの」
私は紙ヒコーキを崩して折り目のついた進路希望調査の紙に戻した
「自分のしたいこと、書くだけだろ」
「そうもいかないんだよ」
國充はきっと、自由に生きてるんだろうな
「自分の未来に、他のやつが介入してどーすんだよ」
その言葉は、あまりにも当たり前
だけど、私にとっては、あまりにも新鮮だった
「奈穂の未来は、奈穂のもんだろ
親にも誰にも干渉されずに、自分で決めろよ」
國充が放つ言葉に圧倒された
今まであれほど悩んでいたことが、すんなりと解決されて、なにかがすぅっと腑に落ちた感覚がした
私は、進路希望調査の紙を眺めてから、再び折り目に沿って折り出す
「は?俺の話聞いてた?」
「聞いてたよ」
聞いたからこそ、今決めたのだ
紙ヒコーキを折ることにしたのだ
「こんなちっぽけなもので決められない
もっと遠くに飛んでみたい」
國充はふっと笑って、飛んでみろよと言った
綺麗な形となった紙ヒコーキを構えて
風に乗せて飛ばした
私は屋上に寝転がりながら手に持った紙を眺めていた
はぁ、またやってきた…。。
正直、嫌いだ
私は起き上がってその場に座ると、その紙を折りだした
「何折ってんの?」
近くにいた國充は不思議そうにこちらを眺めていた
「紙ヒコーキー」
私はそれだけいって紙を折り続けた
「ふっ、小学生かよ」
「戻れるもんなら戻りたいわ」
通学路で楽しそうにしている小学生は、本心から楽しそうで羨ましい
私は紙ヒコーキを作り終えると、それを飛ばそうとした
「おい、まじで飛ばす気かよ」
そう言って國充に腕を捕まれ止められた
私はそれを不快に思って彼を見る
「…なんで止めるのよ」
「だってその紙、進路希望調査だろ?」
「だから?」
「提出するもんだろ」
「そう、だけど…」
「逃げんじゃねーよ」
國充に、読まれた気がした
真っ直ぐな目が、私に伝わってきた
「…わかんないの」
私は紙ヒコーキを崩して折り目のついた進路希望調査の紙に戻した
「自分のしたいこと、書くだけだろ」
「そうもいかないんだよ」
國充はきっと、自由に生きてるんだろうな
「自分の未来に、他のやつが介入してどーすんだよ」
その言葉は、あまりにも当たり前
だけど、私にとっては、あまりにも新鮮だった
「奈穂の未来は、奈穂のもんだろ
親にも誰にも干渉されずに、自分で決めろよ」
國充が放つ言葉に圧倒された
今まであれほど悩んでいたことが、すんなりと解決されて、なにかがすぅっと腑に落ちた感覚がした
私は、進路希望調査の紙を眺めてから、再び折り目に沿って折り出す
「は?俺の話聞いてた?」
「聞いてたよ」
聞いたからこそ、今決めたのだ
紙ヒコーキを折ることにしたのだ
「こんなちっぽけなもので決められない
もっと遠くに飛んでみたい」
國充はふっと笑って、飛んでみろよと言った
綺麗な形となった紙ヒコーキを構えて
風に乗せて飛ばした