《3日目》


「なぁ、奈穂の誕生日っていつ?」


お弁当を食べていると、横から雑誌をもった國充が聞いてきた。


「8月25日だけど…」


「じゃあ、乙女座か」


私の誕生日使って占おうとしてる?


「私占いとか信じないから」


「そんなのわかんないだろ

えーっと、乙女座は今週のランキング9位!」



いや、びみょー



「青いものを見つめているといいことが起こりそう…だってさ」


「ふーん」


私は興味なさげに返事した。



いいこと…ってなんだろう



「青いものってなんだろうな」



「あ、そっち?」



「逆に何があんの?

でも青いもの見つけりゃいいことあんだろ
いいな、お前」



「國充は?誕生日いつ?」



「俺はね、2月10日、水瓶座」



私は國充が持っていた雑誌を奪って星座占いのページを眺めた


みずがめ…水瓶座
…あ、あった


その隣は、黄色で大きく書かれた文字


「1位じゃん」


國充に言い捨てると、そのまま雑誌を読み進めた


水瓶座、1位
あなたにとってのターニングポイントに出会いそう。視野を広げてみて。明るい未来が待ってます。



「明るい未来がまってます…だって。
私のよりいいこと書いてあるじゃん」



「でも俺は、今を生きてんだから、未来より今を明るくしたい」



私は國充の言葉に驚いて雑誌から目を外した



「未来なんてよくわかんねーし、今なら生きれてんだから今明るい方がよくね?」



國充が放ったその言葉に、妙に納得できた


思わずみとれていると、雑誌をばっと奪われた



「奈穂、今俺に惚れただろ」


「は?そんなわけないでしょ」


さっきまで少しだけかっこいいこと言うじゃんとか思ってた自分を返せ


「素直じゃねーな」


そう言って頭をガシャガシャされた


髪、乱れたし…


私は髪の毛を手でとかしながら白い歯を見せる彼を見つめた