《2日目》

ポンっと宙をまってなにかが私の手元に飛んできた

見ると手元には、りんごジュース

それを飛ばした張本人は、
私の驚く目を見て笑う


「なにこれ」


私は気分が悪くなっていつもの暗い声を出した


「りんごジュース、嫌いだった?」


「いや、好きだけど…」


「俺の領域にようこそって挨拶代わり。
安心しろ、奢りだから」


挨拶代わりって。。
國充って、変わってる


ただの学校の屋上を俺の領域とか言っちゃったり、本気で祝ったりするあたり


「ありがと」


私は紙のパックの側面についているストローを取り出して紙パックに刺してりんごジュースを飲んだ。


久しぶりに、水以外を飲んだ気がする



「…美味しい」



「だろ?
りんごジュースって甘いけどスッキリするんだよな。」



そう言って彼は白い歯を見せた



「なんでここにいるの?」



ふと頭に過った疑問をぶつけてみた。



「なんでって…。

いつも同じところだと息つまんじゃん」


その顔はどこか逃げているみたいで、私と似ている

…そんな気がした。



「じゃあなんで昨日、私をとめたの?」



そういうと彼は心なく笑って



「ひとりに寂しくなってたから」



そういったんだ。



同じだ、と思った



ひとりになりたいのに、寂しくてなれない


強がるけれど、ひとりがつらい


國充もきっと、そんな気持ちだったのだと思った