《1日目》

あぁ、私、なにしてんだろうな。

何もやる気が出ない私は屋上で雲ひとつない空を見上げていた。


「私ってばほんっとばっかやろーだな」


自然と言葉が口をつく

かなり大声で言ったけれど、聞いてる人なんて誰もいるわけ…


「バカってわかってんなら直せよ、バカ」


…だれ?


声のした方を慌てて振り返ると、学ランを着た男子生徒が立っていた


「すぐに直るんなら悩んでないっての。

てか君だれ?」


「俺は國充|《くにみつ》。お前の名前は?」


「…奈穂|《なお》」


「奈穂ね、よろしく」


そういうと彼はパンの袋をあけてくわえた。



「なんでここにいんの?」


なんでこいつ、私に話しかけてくるんだろう


「空見てるだけ」


私は仕方なく応える。


「確かに今日の空綺麗だな」


「なんでここにいるの」


「だってここ俺の領域|《テリトリー》だし」


「は?意味不明」



また私は邪魔者かよ


その場を立って扉に向かって歩き出すと腕を掴まれた


「どこいくの?」


「だって君の領域なんでしょ?

じゃあ私はほかを探すよ」


「ここにいろよ」


は?よくわかんないやつ


だけど私はさっきまでいた場所に戻った