《9日目》
あーっ!もうわかんない
私は開いていた教科書を閉じて、机に伏した
すると、私の頭の上になにかが乗った感覚がした
怪訝な顔をして頭をあげると、スルッと落ちたのはさっき閉じたはずの教科書だった
バサッと音を立てたそれを拾い上げたとき、人影が見えてそちらを振り向く
「あ、やっと気づいた」
教科書を頭に乗せた張本人は、私の様子に満足そうに笑っていた
「…なにするのよ」
私は低い声を出して國充を睨みつけた
「今日はいつにも増して機嫌悪いな」
「てかいつからいたの」
私が机に伏せるまでは教室には1人だったはず
「さっき、奈穂がちょうど寝ようとした時」
なんてタイミングで来るんだろう
「珍しいな、勉強なんて」
國充はまじまじと私が使っていた教科書を見つめた
「しょうがなくだよ
定期試験で赤点とったら卒業できないから」
自称進学校の面倒くさいところだとほんとに思う
「明日までだろ、あとちょっとじゃん」
そう言う國充は余裕そうに何も持っていなかった
「勉強しないの?」
「こー見えても優等生語ってるから」
「テストの姿勢優等生に見えないけど」
「優等生は必死になって勉強しなくてもできんだよ」
そういうものなのか
そんな頭身につけてるならどれだけ楽して生きられるんだろう
羨ましい…
「どうしたら頭よくなるんだろ」
「別に授業きちんと聞いてるだけだよ
それに、頭良くたってなんもいいことないぞ」
國充らしくない言葉が出てきて意外だった
いつもあんなにポジティブ人間なのに
多分きっと、初めてじゃないかってくらいの暗い顔をしている
「壁を高くしたらその分だけ求められるものはでかくなんだよ」
そういう彼は私の知らない彼だった
「まあ、それだけ俺は偉大ってことだけどな!」
私はふっと笑った
ポジティブ人間に戻った
そう思ったけれど、いつもと違って強がっているように見えた
あーっ!もうわかんない
私は開いていた教科書を閉じて、机に伏した
すると、私の頭の上になにかが乗った感覚がした
怪訝な顔をして頭をあげると、スルッと落ちたのはさっき閉じたはずの教科書だった
バサッと音を立てたそれを拾い上げたとき、人影が見えてそちらを振り向く
「あ、やっと気づいた」
教科書を頭に乗せた張本人は、私の様子に満足そうに笑っていた
「…なにするのよ」
私は低い声を出して國充を睨みつけた
「今日はいつにも増して機嫌悪いな」
「てかいつからいたの」
私が机に伏せるまでは教室には1人だったはず
「さっき、奈穂がちょうど寝ようとした時」
なんてタイミングで来るんだろう
「珍しいな、勉強なんて」
國充はまじまじと私が使っていた教科書を見つめた
「しょうがなくだよ
定期試験で赤点とったら卒業できないから」
自称進学校の面倒くさいところだとほんとに思う
「明日までだろ、あとちょっとじゃん」
そう言う國充は余裕そうに何も持っていなかった
「勉強しないの?」
「こー見えても優等生語ってるから」
「テストの姿勢優等生に見えないけど」
「優等生は必死になって勉強しなくてもできんだよ」
そういうものなのか
そんな頭身につけてるならどれだけ楽して生きられるんだろう
羨ましい…
「どうしたら頭よくなるんだろ」
「別に授業きちんと聞いてるだけだよ
それに、頭良くたってなんもいいことないぞ」
國充らしくない言葉が出てきて意外だった
いつもあんなにポジティブ人間なのに
多分きっと、初めてじゃないかってくらいの暗い顔をしている
「壁を高くしたらその分だけ求められるものはでかくなんだよ」
そういう彼は私の知らない彼だった
「まあ、それだけ俺は偉大ってことだけどな!」
私はふっと笑った
ポジティブ人間に戻った
そう思ったけれど、いつもと違って強がっているように見えた