理解に苦しみ、状況がわからない3人に、
「ちぃと、難しかったかも知れんの」

荒畑が徳重と本山に向かって言った。

「しゃーないやろ、まだ若いんや」

本山が荒畑に言うと、笑った。

それから夏々子に視線が向けられた。

「えっ?」

(あたし?)

訳がわからない顔をした夏々子に、
「おい、シラタマ」

本山が言った。

「えっ?」
と、夏々子。

「シラタマ?」
と、瑛太。

「あの?」
と、桑田。

当然彼らの頭の中に浮かんでいるのは、あのシラタマである。

「15年ぶりの再会だね、タマ」

それまで何も言わなかった徳重が言った。

彼らの頭の中に浮かんだのは、某国民アニメのあの白い猫である。

荒畑が笑って、
「久しぶりやね、玉井宗助くん」
と、言った。