金髪の男は、ドラマーの本山だ。

彼はデニムのつなぎを着ていた。

「すっげー…」

生まれて初めて3人の姿を間近で見た桑田の唇から、呟くような声が漏れた。

夏々子と瑛太は何も言うことができず、目の前の3人を見つめることしかできない。

固まっている夏々子と瑛太と桑田を前に、荒畑の唇が開いた。

「お邪魔パジャマ」

そう言って荒畑が会釈をした。

「…はっ?」

一瞬何を言われたのか、理解ができなかった。

マヌケな顔をしている夏々子と瑛太と桑田に、
「お邪魔寝巻き」

本山がそう言った。

「あい…?」

何がかかっているのだろう?

理解に苦しむとは、まさにこう言うことを言うのかも知れない。