眼鏡にストライプのスーツ姿の男が声をかけてきた。

「あの…」

戸惑っている星子に、
「警察ではありません」

男――宗助は答えた。

「えっと…」

警察じゃなかったら何なのだろう?

訳がわからない顔をしている星子に、
「ジェントルマン、とでも名乗っておきましょうか」

宗助は言った。

「ジェ、ジェントルマン…?」

「ええ、ジェントルマンです」

そう返した宗助に、星子はうつむいた。

「白いワンピースで東の通夜にきたあなたが気になったんです。

申し訳ないと思いましたが、あなたのことを調べさせていただきました」

星子の目が宗助に向けられた。