横になった瞬間、睡魔が襲ってきた。

今日も仕事で疲れた。

「いつまでもバイトとドラムをやる訳にはいかねーな。

いい加減に就職をしねーとな…」

言い聞かせるように呟いた後、桑田は目を閉じた。


バンドを始めたのは高校生の時だった。

きっかけは何だったのかは忘れてしまったが、同級生たち数人と組んでバンドを始めた。

結成当初はギターを弾いていたが、
「俺、才能ないからドラムでいい?」

そんな理由でドラムを担当していた同級生と交代をしてもらった。

ドラムならたたいているだけだから、全くの初心者である自分にも簡単にできると思ったからだ。

その当時はあまり資料がなかったからよくわからなかったが、桑田は見よう見まねでドラムを覚えた。