彼女は笑って、
「じゃあ、エイくんだね」

嬉しそうに言った。

「ああ、この子がさっき話してたヴォーカルの女の子」

そう言った宗助に、
「初めまして、夏々子です」

彼女――夏々子が言った。

「ナナコちゃんね」

瑛太は夏々子と同じ目線にしゃがみ込むと、
「初めまして、植木瑛太です。

これからよろしくね」

自己紹介をした後、夏々子に手を差し出した。

「うん!

よろしくね、エイくん」

夏々子は小さな手を重ねると、瑛太と握手をした。

そんな2人を宗助が微笑ましそうに眺めていた。