宗助が返事をしたことを確認すると、
「じゃあ、そろそろ俺たちも帰ろうか」

徳重と本山に呼びかけた。

「ああ、そうだな。

じゃあな、シラタマ。

浮橋のヤツによろしくと言ってくれ」

本山は宗助に向かって手を振ると、荒畑と徳重と一緒にこの場から立ち去った。

3人の後ろ姿を見送ると、
「彼らには本当に助けられてばかりだな」

宗助は呟いた。

「ソウちゃん」

夏々子が宗助の名前を呼んだので視線を向けた。

「もう泣き止んだか?」

そう聞いた宗助に、
「すでに涙は止まっていたわよ」

夏々子は答えた。