24歳の時だった。

その日は雨で、宗助は忙しい仕事の合間を縫って喫茶店で浮橋と会っていた。

「泥棒?」

調査結果に聞き返した宗助に、
「ああ、直江良助はとある窃盗集団に所属していたんだ。

いわゆる、ピッキングだな」

浮橋はコーヒーを飲んだ。

「結構前に集団を抜け出してる。

まあ、もう少し調査を続けるけどな」

そう言った浮橋に宗助はスーツのポケットから封筒を取り出した。

「いつも悪いな、お前のところも大変だろ?

あの天下のBIRDMENのマネージャーで、連日飛び回ってるだろ?」

浮橋は宗助の手から封筒を受け取ると、それをショルダーバックの中に入れた。