「まさか、ソースにそんな才能があったとは思っても見なかったよ…」

武藤も驚いた顔で呟いている。

自分は相当なまでの音痴だったのかと絶望していたら、
「玉井さん、この曲はあんたに歌って欲しい」

宍戸が言った。

「えっ?」

訳がわからなくて聞き返した宗助に、
「そうだな、この曲はソースに歌ってもらうのが1番だな。

ソースがまさかこんなにも歌がうまいとは思っても見なかったよ」

武藤が同意をすると、周りもそうだなと言って首を縦に振ってうなずいた。

「えっ、ええっ?」

この様子からして見ると、自分は音痴じゃなかったようだ。

ベーシストだけじゃなく、ヴォーカリストを担当するようになったのはこの時からである。