「そんなに言うんだったら、あんたが歌えばいいだろうが!

あんたが作った曲なんだから、あんたが歌えばいいだけの話だろう!」

そう怒鳴った宍戸に、
「ああ、そうかよ!

だったら歌ってやるよ!」

宗助は何クソと言うように言い返すと、宍戸の手からマイクを奪った。

「ちょっ、ちょっと…!」

武藤が止めるのも聞かずに、宗助は歌った。

その瞬間、周りが息を飲んだのがわかった。

曲を侮辱されたとは言え、ヤケクソだったとは言え、行動はあまりにも大人げなかった。

周りが息を飲んだのは、自分が相当なまでの音痴だったに違いない。

そう思いながら歌い終えると、
「――すげー…」

驚いた顔で、宍戸が呟いた。