中学を卒業し、地元の公立高校に進学した。

宗助は迷わず軽音楽部へと入部した。

同じように入部してきた同級生は宗助を含めて5人だった。

しかし、
「誰もベースが弾けないの!?」

驚いたと言うように聞いてきた部長に、宗助たちは目を伏せた。

キーボード、ドラムと担当する楽器が決まったのはよかったのだが、肝心のベースがなかなか決まらなかった。

「誰も弾けないとなると、困ったな…」

やれやれと言うように息を吐いた部長に、
「あの…」

宗助は手をあげた。

「僕でよかったらですけど、ベースをやります」

そう言った宗助に、
「本当か!?

助かったよー」

部長はホッとした顔をした。