「あんた、頭がおかしいにも程があるぞ!」

怒鳴るように浮橋に言った桑田は、今にも彼に殴りかかりそうだ。

「頭がおかしいな訳あるか。

ただ俺はあいつと違って英語が嫌いだけどな」

浮橋はクスクスと笑った。

「まあ、そう言うことだ。

宗助がお前たちに言った家族構成はウソだ。

本当は天涯孤独で、養護施設で育ったんだよ」

「――ッ…」

その事実に、夏々子は息を飲んだ。

(ソウちゃんは、あたしたちにウソをついていたってことなの…?)

でも、何故自分たちにウソをつく必要があったのだろうか?

「あんたは宗助さんとは一体どう言う関係なんだ?」

桑田は聞いた。

「俺か?

俺は宗助と同じ施設で育った仲間だ。

あいつの世話係だったと言っても過言ではない」

浮橋が質問に答えた。