「バンドと義賊の活動を両立させて早5年か…。

あっという間だな」

桑田が言った。

「最初は嫌だったはずなのに、なれてしまうと何の違和感もないんだな」

自嘲気味に呟いた後、瑛太は息を吐いた。

「あたしたち、どうなっちゃうんだろうね?」

そう言ったのは夏々子だった。

「さあな」

そう答えたのは桑田だ。

「あたし、ソウちゃんのことを忘れることができないと思う」

夏々子が言った。

(そうだ、なっちゃんが宗助さんから離れると言うことは宗助さんのことを忘れないといけないと言う意味なんだ)

その意味に気づいたとたん、瑛太は自分の胸が締めつけられたのを感じた。