宿泊先のホテルへ戻ると、先に宗助の部屋を訪ねた。

コンコンと、ドアをたたいたが宗助の返事はなかった。

「シャワーでも浴びてるのか?」

メールで帰ってきたことを伝えようとスマートフォンを取り出した時、
「あっ、エイくんおかえりー」

その声に視線を向けると、夏々子だった。

「なっちゃん、何してるの?」

そう聞いた瑛太に、
「ジュース買ってきたの」

夏々子はビニール袋に入っている紙パックのオレンジジュースを見せた。

「ああ、なるほど…」

瑛太は納得したと言うように首を縦に振ってうなずいた後、
「なっちゃん、部屋に行ってもいい?

後、ヤスくんも呼んできて欲しいんだけど」

「うん、わかった」

夏々子は返事をした。