入ってきたその人物に、宗助は自分の目を疑った。

「…ケリー、さん?」

思わず名前を呟いた宗助に、ケリーは驚いたと言うように視線を向けてきた。

「えっと、体調はもうよろしいのですか?」

宗助はケリーに聞いた。

今日の昼を過ぎた辺りだろうか?

彼女は気分が悪くなったから部屋で寝ると言って、ホテルへと戻ったのだ。

「はい、もうすっかりよくなりました。

よくなったので、散歩に出ていたところです」

そう答えたケリーに、
「…ああ、そうだったんですか」

宗助は首を縦に振ってうなずいた。

「では、おやすみなさい。

明日のライブ、一緒に盛りあげて行きましょう」

笑いながら言ったケリーに、
「そうですね、お互い頑張りましょう」

宗助は笑い返した。