その日の夕方、4人は宿泊先のホテルに向かっていた。

「いやあ、機材が間にあってよかったですね」
と、桑田。

「彼女には感謝しきれないくらいだ」
と、宗助。

「後は明日のライブを成功させることですね」
と、瑛太。

男3人が浮かれている中、夏々子は1人浮かない顔をしていた。

「なっちゃん、何かあったか?」

そんな夏々子に、宗助は声をかけた。

「ソウちゃん、今日置いてあったって言う紙はまだ持ってる?」

そう言った夏々子に、
「ああ、持ってるけど…」

宗助はジーンズのポケットから紙を出した。

夏々子は宗助の手から紙を受け取った。

「何かあったのか?」

瑛太が夏々子に聞いた。