「おい、ミッシェルがあるならあるって何で言わなかったんだよォ!?

俺、迷わずなっちゃんの意見にうなずいてたわ!」

瑛太は割り箸で夏々子を指差した。

彼はミッシェルガンエレファントとビートルズのファンなのだ。

ミッシェルガンエレファントのギタリストであったアベフトシに憧れて自分もギターを始めたと、いつだっかは忘れたがそんなことを言っていた。

「エイくんが次にアルバムの指揮をとった時、ミッシェルガンエレファントを候補に出すかなって思ったから外したんだけど…」

夏々子は心の中でしまったと思いながら、瑛太に言い返した。

「『バードメン』も候補に挙がってたんだったら言ってよ!」

「えっ、『バードメン』?

あたし、その曲が候補だなんて一言も言ってないけど?」

そう言った夏々子に、瑛太はグレーの瞳を大きく見開かせた。