「どう言う訳だかわからないけど、保釈されたんだ」

宗助が言った。

「保釈?」

夏々子は首を傾げると、不思議そうに聞き返した。

「ああ、ただし1つ条件がある」

宗助は人差し指を前に出した。

「1月30日まで事件に動きがなかったら…俺を本当に逮捕するそうだ」

宗助が呟くように言った後、3人を見つめた。

人気ロックバンドの顔から、世間を騒がせている義賊の顔に変わる。

3人は不敵に笑う。

「了解」
と、夏々子。

「上等」
と、瑛太。

「泣き寝入りで終わってたまるかよ」
と、桑田。

宗助は満足だと言うように首を縦に振ってうなずいた。