「エイくんと似たような髪の色だもんね」

そう返した夏々子に、
「そう言う意味で言ったんじゃねーんだけど」

瑛太は言い返した。

「まあ、それはさておきにして…戦闘の準備って?」

桑田が夏々子に質問した。

「決まっているじゃない。

――ソウちゃんの無実を晴らすための戦いよ」

夏々子が桑田の質問に答えた。

「ソウちゃんが容疑者として逮捕されたのは、雑誌記者である元カノ個人の恨みから。

理由はどうであれ、彼女はソウちゃんを逆恨みして誹謗中傷の記事を書いた」

夏々子はテーブルに投げた週刊誌を広げると、
「楢崎千恵美、ソウちゃんを逆恨みしている例の雑誌記者よ」

記者の名前の欄を指差した。

「なっちゃんがマトモだ…」
と、瑛太。

「ここへくる途中に雷にでも打たれたんじゃねーか?

天気はものすげーいいけど」

桑田が窓の外に視線を向けながら言った。