その名前には聞き覚えがあった。

「おい、ナオシ!

お前も手伝わんかい!」

徳重が本山に怒鳴った。

「トクちゃん、この記事なんだけど」

本山は徳重に今見ていた記事を見せた。

「誹謗中傷もいいところだな。

一体どこから出てくるんだよ…」

毒づくように言った徳重に、
「違う、記者の名前!」

本山が記者の欄を指差した。

徳重は本山が指差している記者の欄に視線を落とした。

「えっ!?」

徳重が本山に視線を向けた。

「楢崎って…ええっ!?」

「ああ、俺たちで知ってる“楢崎”は…シラタマの恋人だった、あの楢崎千恵美だ」